このほど、札幌市の「若者の地域活動に関するアンケート調査」の結果がまとまりました。これは、札幌市内の若者の町内会に対する考え方や若者が参加するにあたっての課題等を把握し、その結果を、町内会活動の負担軽減や若い世代の参加を促進するための施策に生かそうと市民自治推進課が実施したものです。令和5年12月~1月に、18歳から29歳の3000人を無作為抽出して709件の回答がありました。
町内会の必要性認識と実際の加入行動にギャップ
まず、町内会の認識は、58.1%が「知っている」とし、活動として思い浮かぶものは、「回覧板」(91.1%)、「お祭り、盆踊り」(68.3%)、「ラジオ体操」(55.5%)、「ゴミステーションの管理」(53.2%)という順でした。また、その必要性について、「そう思う」「どちらかいうとそう思う」が67.3%と高い認識を有していました。一方で、町内会に「加入している」は、46.9%と低く、「加入していない」(28.0%)、「わからない」(25.1%)と必要性の認識と実際の加入にギャップがありました。
若者との情報共有には、紙媒体とSNS併用が必要
町内会からの情報としては、「チラシ等の郵便物」(29.8%)と「X(旧Twitter)」(24.6%)、「Instagram」(21.1%)、「LINE」(33.9%)となっており、紙媒体とSNS併用がポイントになると言えそうです。
町内会への協力派32%、わからない44%を生かせ!
町内会活動に「協力したい」は32%を占めています。逆に「協力したくない」は23.4%にとどまっており、さらには、「わからない」が44.6%にも及ぶことから、若者に活動内容を正しく伝え、どのように働きかけていくかが大きな課題と言えましょう。
協力したい方では、「時間があるときや可能な範囲で協力したい」が76.1%、「自分の興味のある分野であれば協力したい」が50.0%、「きっかけがあれば協力したい」が41.3%となっています。若
者に対する活動内容の広報と同時に若者も参加しやすい時間帯の設定などが求められています。
お祭り、高齢者、清掃などがキーワード
協力してみたい分野の設問では、「地域のお祭りの準備運営」が29.0%で一番多く、「ご
高齢の方の除雪の手伝い」が26.8%、「公園や道路の清掃活動」26.3%となっています。
また、活動参加に必要な参加メリットという設問では、「金銭的報酬」が55.8%、「クーポン券など」が48.8%、「札幌市指定ごみ袋」が43.2%等、金銭的な報酬がきっかけや誘因として即効性があるようです。さらには、「新たなつながりや人脈の拡大」が28.7%、「将来のため地域の人と関わる経験」が22.3%と、町内会を通して近所との交流を望んでいる若者像も見受けられます。
調査結果を地域でも生かそう!
この調査では、若者世代が町内会活動に対して決して否定的ではなく、アプローチの仕方では、担い手として期待できることが判明しました。大きな負担にならない時期、時間、そして、若者に対する情報アクセス、わずかな謝礼なども誘因に、まず、参加体験をしてもらうことが大切です。地域でもこの調査結果を生かして、様々なアプローチをしてみましょう。
調査結果詳細は、次のとおりです。