11月20日、日の丸会館で栄東地区福祉のまち推進センター主催の福まち研修会が開催されました。今回は、超高齢社会に突入し、住み慣れた地域で健やかに暮らしていくために欠かせない介護予防を学ぶものです。
開催にあたっては、東区保健福祉課、介護予防センター栄・丘珠、東区第三地域包括支援センター、東区社会福祉協議会の4機関に企画・運営の全面的な支援を受けており、4機関の皆様には、この場をお借りして厚くお礼申し上げます。
地域で健やかに過ごすため、介護予防は最重要な課題
この日の参加者は、日ごろ高齢者の見守り活動をしている民生委員や福祉協力員57名で、少人数のグループワークも取り入れたため、2部制で実施しました。
まず、介護予防センター栄・丘珠の加藤センター長から「介護予防って何だろう?」と題して講話がありました。地域でいきいきと暮らしていくためには、「日ごろから積極的に体を動かし、趣味や地域のさまざまな活動に参加し、日常生活に必要なことは自分で行うこと」が大切。また、加齢や病気により、心身の活力が低下した状態の「フレイル」は、健康に戻れる状態であり、その予防には「社会参加」がキーワードになるとのお話がありました。
札幌市民の平均寿命は男性81.31歳、女性87.32歳と長寿ですが、心身ともに制限されることなく、自立して健康的に生活できる期間・健康寿命は全国平均より低く、この健康寿命と伸ばしていくことが健やかな暮らしを維持できることにつながります。このため、フレイル予防・介護予防が最も重要な課題になるとの説明に、参加者も深くうなづいていました。
社会参加を促すには、近さ・楽しさ・多様性が大事!
講話の後は、グループワークです。自己紹介に続いて、栄東地区の地図を見ながら「(社会参加には)こんな場所がある」「家にこもりがちな人をどうすれば外に出かけたくるか(社会参加してもらえるか)」の2点から話し合いました。
結果はグループごとに発表しましたが、栄東地区には、「既存の地区センターや町内会館、老人福祉センターなどのほか、寺カフェや自宅を開放しているサロン、通年で実施されているラジオ体操会、会議や研修などに会議室を開放してくれる福祉施設や飲食店、ふれあい交流の場になる地域食堂的な飲食店、小学校を開放したすこやか倶楽部、会館を利用した居酒屋サロン、講座や趣味の教室も開かれる商店街のコミュニティプラザなど・・・・・」があると多くの情報提供がありました。
一方、家にこもっている方をいかに外出してもらうかは難問で、「様々な行事を企画しても男性の参加が少ない」「訪問しても出てこない」「インターホン越しにしか話ができない」「家族に不審者に間違えられる」などみなさん大変苦労されているようです。
しかし、「なかなかコミュニケーションが取れない方も根気よく声を掛けることで心を開いてもらえる」「個別に町内会などの行事に誘う」など「あの手この手」のアプローチが功を奏した事例もありました。また、「近いこと、楽しいこと、あまりお金がかからないこと」、「できれば無料」などがポイントになり、「美味しいものを食べ、楽しくおしゃべりができる」「体の不自由な方は送迎する」、「買い物ができる」など付加価値があると参加してもらえるのではないか、それと「多様な選択肢も必要」との提言もありました。
栄東地区でも65歳以上は9000人を超え、特に病気がちで要介護に陥りやすい75歳以上の方々も5000人を超えています。地域で健やかに暮らし、明るい超高齢社会を実現していくためにも介護予防は避けて通れない最重要な課題です。急増する高齢者の社会参加を促す方法論は確立されていませんが、このような研修や話し合いの積み重ねがきっと道を開いていくことでしょう。栄東地区福祉のまち推進センターでは、今後もこのような研修会を開き、介護予防の大切さを広げていきたいとしています。