栄東連合町内会(菊地裕嗣会長)は、6月25日、栄小学校(東区北42条東10丁目)で、地域住民自ら避難所を開設し、避難者を受け入れる実戦さながらの訓練を実施しました。これは、平成30年9月に発生した北海道胆振東部地震の教訓を踏まえて、万が一の時にも地域が主体的に避難所を開き、円滑な運営ができるようにすることを目的に実施したものです。
訓練は、まず、栄東地区も震度6弱の地震にみまわれたという想定で、栄東連合町内会や栄東地区まちづくり未来会議の公式LINEなどによる訓練通報から開始しました。8時45分には、栄小に周辺の連合町内会第3分区の町内会役員と消防団員の合計39名が集合し、避難所を暗証番号を入力して住民自らが開錠し、受付班、備蓄物資班、避難スペース班に分かれて設営を開始しました。
受付班は、体調不良者や発熱者を振り分ける「受付」、一般の方用の「一般受付」、発熱者などの受付を行う「臨時受付」を設置しました。備蓄物資班は、2階の備蓄庫から毛布、寝袋、ストーブ、アルファ化米などを体育館や避難者室に運搬し、発電機や停電を想定した投光器の設置を行いました。避難スペース班は、体育館を4つに区画、受付後の避難者を疑似家族に見立てて、1人用から5人用までのスペースへの案内や各人数用に切ったブルーシートのセッティングを手伝うという役割です。
午前9時50分からは、連合町内会1分区、2分区、4分区の避難者60名余りの受け入れを行いましたが、各班ともに円滑に受付、誘導、セッティングを行い、避難の完了です。避難所に落ち着いてからは、2つのグループに分けて、体育館では避難スペースの広さ、備蓄物資の寝袋や毛布の実物の確認、備蓄物資の運搬時の重さの体感などを実施しました。
もうひとつのグループは、校舎内に配置されたトイレや高齢者、障がい者、妊産婦などの避難スペース、採暖室、受水槽などの説明を受けて避難生活の大変さを実感していただきました。2つのグループは入れ替えて同様の説明、体験を行い、最後に、東消防署栄出張所の篠原係長から「このような本格的な避難所開設の訓練は先進的でとてもすばらしい」との講評をいただくとともに、これまでの災害支援を踏まえての留意事項などのお話がありました。
通報訓練から2時間半余りで訓練を終了し、備蓄物資の配布を受けて解散となりました。こうした訓練は、昨年の栄町小学校に続いて2回目です。今後は、会場を地区内の他小中学校に変えて毎年実施していく予定で、主催した栄東連合町内会の中谷暁生・防火防犯部長は、「訓練は繰り返しが重要で、練度を挙げて、どのような災害にも対応力を高め、安全安心に暮らせるまちを目指していきたい」と話されていました。訓練参加の皆様お疲れさまでした。