3月28日、日の丸会館に長野県立大学大学院の今村晴彦准教授がおこしになり、栄東地区まちづくり未来会議、栄東連合町内会、栄東地区の民生委員児童委員協議会や福祉のまち推進センターなどの役員との意見交換会を開催しました。
長野県は「健康補導員」という地域の栄養指導などを行うボランティア制度があり、食改善等で県民の健康長寿や医療費の低減に成功した県として有名です。同准教授は、10年ほどその研究に従事、健康づくり分野でのコミュニティ活動に造詣が深い研究者です。
栄東地区からは、地域活動の担い手の高齢化、盆踊り・夏まつり・ラジオ体操などひと昔には日常的に見られた行事もできない地域力の低下、子どもの貧困問題、健康づくりやサロンなどの居場所には男性の参加がすくないこと、将来的な買い物難民発生への危惧(コンビニは少ないくないが個人商店は大幅減少、商店街の疲弊)、少子化による学校統合などの課題を提示し、それぞれの団体や個人の経験、今後の活動への考え方などをお話ししました。
先生からは、コミュニティには、「自生した規則性・制度」「自発的に割り振られた役割」「交流のための道具(メディア)」というルール、ロール、ツールがどれも欠かせないとの話があり、主に健康分野でのコミュニティ活動の情報提供がありました。
長野県の保健補導員では、小海町の委員について、任期2年で半ば強制的に地区から選出、健診の勧奨、研修会での学習、地区の健康教室のサポートを行い、トイレットペーパーにメッセージを書き込んだ啓発ツールなども活用して、保健事業の補助や健康情報を伝える役割を果たしている事例の紹介がありました。
また、熊本市の校区自治協議会と校区の保健師が連携した健康まちづくり事業について事業の活動の到達度や健康度に係わる指標の比較検証を通じて、健康まちづくりを促進する要因としてリーダーの健康づくりへの強い信念や関連組織のネットワーク化やキーパーソンの存在、健康づくりへの優先度が高く、利用可能な資源を広く活用するなどの特徴があることなどが紹介されました。
地域の取り組む健康づくり対策として、「地域のふれあい」や「子どもの健全育成」という観点が重要ともいえそうです。
意見交換は、2時間半あまりですが、普段の会議ではなかなか話し合いできない、参加者の問題意識や活動事例、今後取り組みたいことなどのお話がとめどもなく出されていました。まちづくりには、普段の思いのたけを吐き出し、具体化するような話し合いの場が必要ということを再認識した意見交換会でした。