このほど、栄東地区一人暮らし高齢者の見守活動調査がまとまりました。これは、栄東地区福祉のまち推進センターが、見守り活動状況を把握し、今後の栄東地区福祉のまち推進センターの活動の参考とするため実施したものです。
地区内38町内会に調査書をお送りし、10月26日までに34町内会から回答があり、一人暮らし高齢者の見守り活動を実施している町内会は24団体ありました。見守対象は、概ね75歳以上としているのが19団体で、70歳以上2団体、73歳以上と80歳以上が各1団体という結果でした。
見守対象名簿は17団体が作成し、作成していない7団体も比較的小規模で把握が容易か、マップで代替している団体も。見守頻度は、月1回以上の訪問が10団体、不定期・年数回8団体、年1回3団体、2か月に1回が2団体と続きています。訪問はしないが、日常生活の異変に気をつけているのが1団体ありました。
また、訪問だけではなく、敬老会などの一人暮らし高齢者が参加できる行事の開催が10団体、高齢者が参加できるサークルなどの実施が5団体、日常生活の異変に注意を払っている団体が18団体あり、見守方法も多様化しています。
福祉マップは、20団体が作成していますが、うち更新していない団体が10団体あり、また、活用法についても「見守担当の配置検討」2団体、「会長・福祉部長の情報共有」、「新規のチェック、災害時の活用」、「緊急時の活用」、「民生委員との協力に活用」、「世帯の再確認」が各1団体とあまり有効活用されていない実態が浮かび上がりました。
その他、自由意見等では、「見守りは特別構えず、近所のさりげない気配りでよいのではないか」、「特定の方に見守りのストレスをかけずにご近所の皆さんが見守り、不審な場合は、会長など役員が連絡する体制をつくている」など、構えず、負担をかけない見守りが長続きの秘訣という意見がありました。
一方困りごとでは、「(在宅しても)電話に出てもらえない」、「新型コロナ禍で活動が停滞し、どのように活動すべきか悩んでいる」、「新型コロナ禍で訪問を差し控えている。十分な見守りができていない」のほか、「役員の高齢化、担い手不足で町内会組織の存続について検討中。見守り活動の余裕はない」、「役員の後継者不足で見守り体制の維持が困難」、「人手不足ですべてを会長が兼任している」と言った深刻な声もありました。
さらには、「名簿を作成するための個人情報の入手方法、どの程度見守りすべきか、何かあったらどこにつなげばよいのか、よくわからない」という声も。
このほか、「担当を決めても負担が多く、住民全員で見守りする体制を令和3年4月からスタートさせている」という状況にあった取り組みを進めている団体もありました。
町内会においては、「役員のなり手がいない」、「活動に参加しない、協力的でない」、あるいは「町内会に加入しない」ということが、大きな課題になっていますが、一人暮らし高齢者の見守り活動にも大きく影響しているのではないでしょうか。見守りは、「特別に構えず、負担をかけずに」がキーポイントになりそうです。